昨年(2015年)から牛の出荷頭数の減少などにより、牛肉の枝肉価格が値上がりしています。
3年で子牛せり値7割、肉2割上昇(2015年11月27日・朝日新聞)とあって、繁殖農家さん、肥育農家さんなどの廃業による表れと思います。
僕も昔は農家さんと直接取引をさせて頂きましたが、そのご苦労は並大抵でありません。
『生き物』と暮らすというのは、それこそ家族の一員ですから、年中これの面倒を見る。
取引先のご主人の映画館に行ってみたい、とおっしゃる気持ちがよくわかります。
また、先の震災で廃業を余儀なくされた多くの和牛農家さんも、本当に残念でなりません。
和牛の素晴らしさが、和食と共に世界中に認められてきたのですから。
さて、当店も昨年四月に価格改定を行いました。お客様にはご負担をお掛けしていますが、
値段だけ上げて、グレードは変わらないでは困りますから、良質、グレード共に価格に恥じないものをと、心構えをしています。
毎朝仏壇にお線香を手向けるときに、お経の中に『諸行無常』とありまして、なんのことやらさっぱりわかりません。
ただ、この先あらゆることが変化しようとも、和牛の文化は変わらず残したいと願うばかりです。
於 本店厨房