牛肉の仕入れというものはなかなか難しい。もうこれで大丈夫ということがない。
肉質も等級も、あるいは産地(牛が育った所や、血統)などによってもおのおの味の特性があるし、
果たしてこれが自分の店のタレに合うかどうか、こればかりは指でなぞったり、見た目だけで判断はつかない。
僕が昔お店を開店した頃は、何がなんだかさっぱりわからぬままにとにかく手当り次第に買ったもので、しかしそのうちに、その味の変わり具合に困り果てた。
おいしければなんだっていいじゃないか、じゃダメなんです。
うちの味にしないといけない。タレに合う肉か。
このタレと肉の相性があったわけです。この相性を無視しては味が定まらない。
焼肉店のタレは店の暖簾に等しく、いつ行ってもかわらない味が大切なんだなと思います。
例えば美しい霜降り肉、脂がのってジューシーな味わいのこの肉にはパンチの効いたこの脂に負けない、濃くて強いタレが合います。
逆に霜降りはそれほどでもないが味の濃い肉もあり、これはむしろうすくちの味付けのタレが邪魔をしないような気がします。
まあこれだけではありませんが肉とタレの相性は基本です。
この、牛というものはやはり生き物ですから難しいんですけどね。
いつ行ってもかわらない味、口にするのは簡単なんですが行うは難し、ですね。
これはくにもとの永遠のテーマなんです。(少しオーバーかな)
今日は暑いから焼肉にしませんか?
於、本店厨房