ここのところ母の病院通いに付き添う。
母は高齢だけれど気がシャンとしていて自分で自分の身のまわりは全部する。
だが一人で病院に行くのは心細いし、あの長い待ち時間をひとり待つのは辛い。
一緒に長椅子に座って母のとりとめのない話に付き合う。しかし待つな、その日は大入り満員で途中あとどの位か尋ねる。
やっと番がきて診察。ふむふむ、これしか仰らない。先生は。
処方箋を頂いて薬ももらって終わりました。
お前、ありがとう、と母。
ご褒美に何か食べようというから 鰻と言おうと思ったらさっさとラーメン屋さんに入りラーメン二つ。
半分残して、芳信、もっと食べなさいと言うから母の分まで全部食べた。
ラーメンをご馳走になって一緒に並んで歩く。母は随分背が低い。
いや、体が小さくなってしまったな。
病院は行きたくないし、母の話も退屈である。せっかくの休みなのにもう日が暮れる。
母に文句は言わないが、仕方ない、母の小さくなった肩を見てそう思う。
いずれこの道は自分も歩く筈だ。
次の病院の予約はまた休みの日だな。今度こそ鰻、御馳走してもらう。
病院の帰り道にて