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「All need is Love」
映画が大好きである。
子供の頃家の近くに映画館が2軒もあったので祖母がよく連れて行ってくれた。
片岡知恵蔵、東千代助、月形龍之介、大友竜太郎、中村錦之助とよく観たなぁ……。
立ち振る舞い、セリフの言い回し、顔のきめ方など良かったなぁ。
最近は忙しくて映画館へは行ってないが、もっぱらDVDを借りて仕事の終わった後、深夜3時くらいから音量をしぼり、画面だけ観ていることが多い。
このあいだ観た「セント オブ ウーマン」。
主人公アルパチーノ扮する退役軍人。
この世に生きる望みを失い、自分の居場所を見失った男が自分で自分の命を絶つ覚悟を決め、死ぬ前に自分のやりたい事をやろうとアルバイトの応募に来た学生(クリス オドネル)をそそのかして二人一緒にニューヨークへ旅立った。
最高級のホテルに泊まり、ストレッチリムジン(ボディーを延長して後部座席の居住性を高めた乗用車)を運転手付きで予約し、一流レストランで食事する。ついでに憧れだったフェラーリまで試乗し、盲目の主人公はその最後の時を迎える。
人もうらやむニューヨークでの超リッチな日々が彼にすれば全てが空しく思えただろう。
ついにはピストルを取り出し頭に1発!
で、死ぬつもりが、お供についてきた貧乏学生(クリス)の必死の説得についに自殺を思いとどまるのだ。
「だれだってバカをやることがあるさ」と必死に諭す学生(クリス)に「おまえに一体何が分かるんだ」とやり返す少佐。
ちぐはぐな言葉のやりとりに心が通っていくのが見えてくる。
自分を失い、自分の居場所が無いってことがどれだけ辛く、人を狂気に誘うものか。
お金をどれだけ稼いでも、やりたい事をぞんぶんにやっても空しいとはどういうことなのか?
僕なんぞはやりたい事もお金もとぼしいが、今ある自分のままを理解してくれる人達があることが、ありがたいな、と思えてくる。
この映画でアカデミー賞主演男優賞を受賞したアル パチーノもいいが、タンゴを踊るガブリエル アンフォーが素晴らしい。
焼肉を食べに……、来ないでしょなぁ……。
…… つづく ……
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