「共通した衛生面の強化を望む」
ユッケや牛肉の刺身を定番メニューとして提供していましたが、
今回の中毒により被害を受けられた方々を思い、心情を察し、現在販売を中止しております。
“生肉を食す”という是非よりも、むしろ今は出したくございません。
この先、かの当事者も含め、被害を受けられた方々の安否が落ち着くまではお客様のご理解を頂きたく存じます。
かねてから“生肉を食す”と云うことについては規制はありましたが、それは各お店の自主判断によるということがあったので、
これはこれで業界の慣習と理解をして当店も牛の生肉は衛生管理をした上で販売を続けてきました。
反面、規制の枠の中においてはそれに反するものですから、安全であれば売ってもいい、その上人気の定番メニューである、
などと相反する問題にジレンマを感じたのはきっと僕だけではないと思います。
では、自分の店の生肉が100%「安全」であるか?と問われれば、「はい」とも云えますし、「いいえ、よくわかりません」とも云えます。
しかしそこは、寿司屋のカウンターに座り、ご主人に「このお刺身は安全ですか?」などど聞いたことがありません。
ただ我々は“良質であること”、“健康な肉であること”、そして“味が良いこと”、加えて自分自身の目利きも含めまして、
長年の取引きのある肉問屋さんとの「信」をおいて他にありません。
肉も魚も調理人と卸し、あるいは生産者とのパートナーシップを他において何もないのであります。
それが今回の事件で、その関係が大きく揺れたのです。これがとても悔しい。
腹が立ちます。
願わくば、この事件を広く世間にその顛末を公表し、当事者はその責めを負い、ついには彼等の諸行において改めるべきところは改め、
被害者の方々や社会に許しを乞うべきです。
当然、生食における衛生面の強化と共通した法の整備は急ぐべきであり、今後のためにも公共性のある、明快で力強い規制と線引きを望みます。
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2011年5月11日 焼肉くにもと本店 代表 国本芳信 |
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