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「守りましょう、牛肉」
新聞や雑誌、ニュースなどで「汚染ワラ」、「汚染牛」と大見出しであるものだから、また始まりやがったなぁと、ため息がつい出てしまう。
かつてBSE(狂牛病)などと忌々しいネーミングが世の中を騒がしたが、ヨタヨタと歩くホルスタイン種の画像を一日中流し、
最早、牛肉などはこの世の喰いものではない、と思った人は多いだろう。
よくもまあ、これ程恐怖心をあおるものだとあきれたが、牛肉を商売としている我々や消費者であるお客さんも不安になるのは無理もない。
テレビに映る東北の肥育農家の方々の悲痛な姿はあまりに痛ましい。
東北の銘柄牛は以前から買っていたが、あの味は食べた人しか分からない。
こくと上質な脂の完成度は高く、スキヤキ、しゃぶしゃぶ、ステーキと、もちろん焼肉も含めて、オールラウンドな、そして最もタイピカルな「日本の和牛」と云っていい。
汚染されたワラを食べたからと云ってその牛はダメだとなるのは仕方ないが、
汚染牛と決めつけてしまっては、この伝統ある和牛の名を傷つけてしまっている。
全頭検査を実施して、時間がかかろうとも、その栄誉を回復してほしいし、敬意も払うべきだ。
「安全な食べ物」の感心は原発以来神経質なほどに高まり、かと云ってむやみに拒絶したり、盲目的に口にしたくないなどと恐れることは良くないし、子供達もそれをきっとマネするだろう。
ただその反面で、「安全」と、文字に書けば頼りがいのあるものだが、何となくスッキリしないこの定義に、消費する人達が、どこをどうやって認識すれば良いのか、
その折り合いのつけ所に困っているような気もする。
野菜も食べるし肉も食べる、魚も食べるし牛乳だって飲みたい。
あれはアブない、コレはいいと何とも大変な世になったと思うけれど、せめて食べるものだけは自分達の世代でしっかり守りたいし、
この牛肉は守っていかなければいけないと思う。
ユッケの件があって耐えがたきを耐えて、コンチクショーと声を殺し、今度はセシウムがどうしたとあれば、本当に残念であるが、
ここで負ける訳にはいかない。
頑張り通します。
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