厨房思案 第108話 「次世代の憂鬱」
ウイルス大流行ということで、本当に困ったものだよ。
でも8月25日の新聞には緩やかに減少とあったから、少しホッとしたよ。
いや、まだ気を緩めるわけにはいかんよ。毎日消毒清掃だから、疲れます。
それに暑いしな。時短営業で夜10時閉店だから年配の僕には丁度いいけどな。 ウイルス不景気で倒産や廃業を耳にするたびに、不安になるがまあ、僕の本業はこれしかないから。
僕はね、こと焼肉に関しては次世代にバトンが渡してあると信じているよ。
みんな焼肉が美味しいというのはインプットされている。
だけどまだバトンが渡しきれてない業種もあるよ。いい仕事してる人は沢山いるのにな。
行き場が無くなるよ。つらいな。
今は自分のことも覚束ないがね、何故かそんなことを呟きたいね。
おじいさんの独り言だよ。
若い人には バトンが行き渡っている業種を見極めて、手に職をつけてさ、郷里に帰り自分の店でも持ったらいいよ。 少なくともクビにならないし、進退は自分で決められるじゃないか。
お互いにガンバロウ。
2020年 8月 本店厨房にて