厨房思案 第97話 「旅ゆけば」

久しぶりに京都に行った。二日間の休みだから、京都はちょうどいい。新幹線のぞみ。二時間ちょっとで着いてしまう。今回はグリーン車。快適である。 「そうだ 京都行こう」というコピーは、ずいぶん昔聞いたことがあるが、これなかなか頭にこびりついて忘れられない。

くずきりを食べ、街を歩き、ホテルに着く。ルームサービスでコーヒーを取り、少し休む。 今回はステーキを食べる。ステーキは東京でも食べられるが、この京都でも食べたい。 京都人は肉好きらしく、肉の消費量?日本一と何かの本にあった。 僕の京都人のイメージは、根気強く、飄々と見えるが、芯は石のようにかたいというようなものだ。 家業を大切にして、創業の古い、いわゆる老舗が多い。

タクシーにも乗った。ステーキの予約は6時。まだ一時間ある。 しかし、よその土地だし遅刻は避けたい。 早々と出発。 しかし混んでいる。道が。 動かない。運転手さんの独り言が車内に響く。 店に連絡を入れ、6時に着けない事情を説明して待ってもらう。一体どの辺なんだろうか? 6時を15分過ぎて到着。

予定時間を過ぎて到着ということを、ひどく気にしていた運転手さんにお礼を言って、ようやくステーキ。食事を終えて、またホテルに戻る。 とても疲れた。そのままグッスリ眠った。

翌日、早く帰らなくちゃいけない。もうしばらく旅行にはいけない。 四条大橋から鴨川をぼんやり眺めた。

東京に戻って、用事を済ませ、浜松街の街並み見る。 京都と比べてはいけないが、このアンバランスな街に少しほっとする。 そうだ浜松町行こうとは言わない。 このアンバランスな東京の風景にめげず、予約を入れて、お店に来て下さるお客さんは、ありがたい。とてもうれしい。

今度はどこに行こうか。

平成30年11月12日  浜松町駅にて